日本でも鬼の頭骨のようなものがよく話題になっているが、元々病理的な原因によって頭蓋骨が変形したものを珍重する傾向は世界的なものである。エジプト王族の長頭化や(日本でも貴族は長頭が多かったとされる)水頭症といったものにも言及したこの記事はけっこう興味深い。のでちょっと遅いけどてきとうに引用訳。
宇宙人のしゃれこうべについての大論争
人間のしゃれこうべほど、恐怖や好奇心の入り混じった奇怪な感情を煽りたて、否応無く死を直視するよう仕向けるものはない。普通の人間のものと著しく異なる「独特の形状のしゃれこうべ」を発見したときに、我々はどうやって、何故それがそのような形に変形したのか理解しようと強い好奇心に駆られる。
もちろんこういった普通ではない発見に対して合理的な説明をつけることは可能だ。ある研究者はしゃれこうべの形状が古代文明の伝統を伝えるものと解釈し、他の者は特定の医療が施された結果の状態だろうと推測する。
しかし、こう解釈する研究者が増えている。これらの人間の「進化」は、地球外文明に由来する遺伝子工学的な成果であるというのだ(”宇宙人の介入論”)。少なくともいくつかのしゃれこうべがそういったエイリアン・コンタクトがあったことを証明するDNAを提供するかもしれないと信じている。
異世界文明論はこれらしゃれこうべの調査の進展と共に少しずつ人類の進化に関するメインストリームの考え方にたいし挑戦を始めている。彼らは大昔の人類に何が起こったのかについて、我々の知識の欠落を指摘する。
スターチャイルドThe
Star
Child
最も有名な変形頭蓋骨にいわゆる「スターチャイルドのしゃれこうべ」がある。2001年にテキサス州のあるカップルから研究者ロイド・ピエLloyd
Pyeにもたらされたものだ。中央アメリカに多く残る伝説によれば、「宇宙の人々Star
People」がしばしば地球を訪れ、何人かの女性と結婚し、混血児が生まれたという。それをスターチャイルドと呼んだ。そのような子は非常に祝福されたもの、天恵であると考えられ、コミュニティ全体で育てられた。5から8歳になると、「宇宙の人々」は子供たちを集め、彼らの世界に連れ去ったという。
スターチャイルドのしゃれこうべに関して当時詳細は公式に記録されなかったが、ピエによると持ち込んだ10代の少女は両親とメキシコで休暇中にこれを発見したという。あきらかに幼児に見える遺骸は、母体と共に洞窟の中の浅い墓穴から掘り出された。少女は近在の家から更に二個のしゃれこうべを手に入れた。50年ほど保管されていたものだという。こういった由来話のどの程度が真実でどの程度が都市伝説なのかは周知の通りだが、これら由来の定かではないものが科学を困惑させる謎をもたらしたことは事実である。しゃれこうべは広範囲にわたる試験により本物と立証された。またこれらのしゃれこうべは、いくつかの驚くべき分析結果を示した。まさにユニークなものであった。
保守派もしくはメインストリームの科学、既存の自然科学のパラダイムに傾倒しているコメンテイターたちは、ピエをいかさま師や疑似科学者と呼び非難したが、実物がある以上、真実から何者も遠ざける言説にはならない。ピエは独立分析機関で精力的に活動し、しゃれこうべは11人の異なった専門家によって世界中の研究室で調べられた。インディペンデントな科学者たちはしゃれこうべのDNA並びにX線写真についてテストを行った結果、これが極めて異質のものであると指摘した。
一つの最も明白な特性は頭蓋の信じられない大きさだ。人間の頭蓋骨は普通1400立方cm(cc)の容量を持っている。しかしスターチャイルドのしゃれこうべは大人の人間の平均を上回る1600ccもの容量を持っていた。成人まで生き残ったなら、人間の平均を超えて1800ccにも成長しただろう。分析によると正常な人間の頭蓋骨に比べ50パーセントも厚く、強かった。また人間に毒があるアルミニウムのような未知の繊維が含まれていた。
合理的な説明?
スターチャイルドのしゃれこうべがとても異常なものであることは明白だ。クリティックスはエイリアンと人間の混血論について、先天性の欠陥が子供のしゃれこうべの独特の姿をもたらしたという説を提唱している。医学的説明の中で示唆されているのはCrouzon症候群やApert症候群、そしてHydrocephalus(水頭症)などの頭蓋顔面異常といったもので、殆どのクリティックスは最も可能性が高いものとして後者の説をとっている。医師によればCrouzon症候群やApert症候群の幼児も水頭症で苦しむという。
従って理論上スターチャイルドはこういった欠陥が複合的に現れた結果と考えることができる。水頭症の物理的影響は、見た目強い類似性を感じさせる。しかし水頭症論の支持者は、スターチャイルドについて各研究機関で調査された結果を考慮していない。これらの結果に共通するもの、スターチャイルドの骨の中で見つかった微生物学的な例外の存在可能性についても説明付けていればそれは信頼に足る判断だが、しかしそうではなかった。クリティックスは疑似科学者とピエを非難し続けるが、彼ら自身の説もまた推論の域を出ないのである。
スターチャイルドのしゃれこうべの更なる分析が、結果として地球外文明による遺伝子操作の証拠を提示するか、単に母なる自然がランダムに我々の遺伝子にもたらす異常にすぎないという確認になるのか、そのどちらであっても注目すべきものである。それまで我々はあらゆる可能性を受け容れる度量を持たなければならない・・・宇宙人と人間の混血という説に対しても。
第二のスターチャイルド
多くの人々がスターチャイルドのしゃれこうべに注目しているが、二番目の奇妙な頭蓋骨が数年前ブラジルのウベラバUberabaで発見されたことに注目している人は殆どいない。第二のスターチャイルドのミイラ化した遺骸はウベラバのWilson
Estanovic自然史博物館に保存されている(訳注;昨年のテレ朝の怪奇特番で取り上げられたもの。この博物館自体怪しい)。二つの頭蓋骨の間には物理的な不一致点が明確にある。ピエの標本のように、頭蓋骨は明確に幼児のものであるにもかかわらず、サイズは正常な大人の頭蓋骨のおよそ二倍にも達するのだ。写真を見るとわかるように、頭の大きさは残りの貧弱な体躯から逸脱したものになっている。残りの体躯は長さ約50センチ(20インチ)しかないのだ。
この子供には他に興味深い点として6本の爪がある。宇宙人に誘拐されたというアブダクティの再現された記憶によると、彼らは6本指だったという。多指症は珍しいことではない・・・もしこの子供が宇宙人と人間の混血であったなら。宇宙人干渉論者のセオリーに従うなら、多指症は古代に起こったDNA操作への先祖返りとも考えることができる。過去のDNA操作はこの遺伝子が今日の人類にときどき起こる現象を説明することができるのだろうか?ところで、巨人の手足には6本の指があるという話も、ごく一般的である。
角のあるしゃれこうべ
角のあるしゃれこうべは現存する最も論議を呼んだものの一つである。医学で容易に説明できるものばかりではない。このしゃれこうべはフランスで1920年から40年の間に発見されたと言われているが、現在は行方不明である。Surnateumは超自然史博物館だが、このしゃれこうべを分析したと主張している。分析結果は角はまさしく頭蓋骨の一部、即ち本物であったという。分析結果はこう閉じている。「詳細な試験とX線結果は疑問の余地なく、”この頭蓋骨は偽造ではない”ことを示している」
この角のあるしゃれこうべは唯一無二の例ではない。1880年代にアメリカの古墳から掘り出されたという、身長7フィート(訳注:220センチ)以上もの角のある巨大な男性の骸骨が報告されている。西暦1200年頃に埋葬されたと推定されている。写真の角のあるしゃれこうべのように、ペンシルバニアの巨人の角は眼窩の上から伸びていると報告された。
この発見は古物趣味のある一団によってもたらされた。そのメンバーにはペンシルバニアの名士が名を連ねている。ペンシルバニアのブラッドフォード郡セアーSayre町で発見されたあと、残りの遺物はメンバーが所属するフィラデルフィアのAmerican Investigating
Museumに送られた。博物館は後にこの遺物が盗まれ、復元できないと主張した。
これは偶然の一致なのだろうか?神話のサテュロスやパンに容易に例えられる「角のある巨人」がセアー町で発見されたということは?遺物が失われた今、検証を進めるために残された手がかりは目撃者や伝説、神話のもたらす話以外に無い。「角のある生き物」はノルウェー神話から秘教哲学に至るまで世界中で「神」と結びつけて考えられている。例えばBaphometはテンプル騎士団に崇拝されていた。バイキングは彼らのヘルメットに象徴的な角を装着していた。Nephilimとして知られる巨人は宇宙人と人間の混血の形で旧約聖書の重要な要素を担っている。宇宙人と神話上の神とこれら角のある巨人の間に何らかの関連があったという可能性を考えることはとても面白い。
遺伝子工学の証拠
研究者のロバート・コノリーは細長い奇妙な頭蓋骨の写真を撮った。1995年南米でのことである。頭蓋骨は何万年も前のものと推測されている。人類学者はこれがネアンデルタール人と人間の両方の特徴を持つ驚異的なものだという。例えばあごは非常に重く、眉は発達している。これはネアンデルタール人の特徴だ。更なる分析は人類の進化の別の可能性として、古代人類の二種の交配があった証拠を示しうると思われる。人類学者はそれは不可能だと言う。南米にネアンデルタール人はいなかったからだ。仮にこれが正しかったとして、この”ネアンデルタール人類”のしゃれこうべがその時代にそこに存在したということ自体が興味深いものとなる。専門家はそれがそこにあるはずがないというのだ。
この頭蓋骨の存在を説明する科学的推論が無い一方で、何人かの研究者はこの明らかに混血の頭蓋骨が遺伝子工学が存在した証拠ではないかとぶちあげた。彼らは地球外からの訪問者が人類を進化させる実験の過程で故意に雑種を生み出したのではないかと言う。人類が作られたか、遺伝子を組み替えられたことを示すのではないかと。この頭蓋骨が推論を支持するものかどうかまだわからないが、我々は人類学者にはこの頭蓋骨が存在する理由を説明することができないことは知っている。
文化的伝統
多くの変形した頭蓋骨が存在する。多くの研究者はこの特徴的な頭蓋骨を古代の慣習によるものと考える。頭蓋骨が結合していない子供の頃から頭を木板で挟みロープか布で強く巻くと、頭蓋骨は奇形化する。即ち平らで細長い形になる。その生理的外見が社会的地位を誇示するものとなったと考えられている。南米の各地やアフリカ文化圏にみられ、身体改造の最初の例と考えられている。少なくとも9000年さかのぼれるものであり、いくつかの標本はこの習慣が実に2万年もの間続けられたことを示唆している。
事実の再評価
この特徴的な頭蓋骨と頭蓋緊縛の習慣を関連づけるには問題がある。緊縛は総合的なボリュームではなく、頭蓋骨の形を変えるものだ。巨大で、重い顎は頭蓋緊縛の習慣を持つネイティブのペルー人の顎よりもはるかに大きいのである。更に突き出た眉はあきらかにネアンデルタールのものなのだ。人類学者がネアンデルタール人が頭蓋緊縛の習慣を持っていたという証拠を今までに提示したことは全くない。頭蓋骨がこうなっている以上、ネアンデルタール人と人類の混血、という解釈を排除する理由にはならない。
一見、変形させられた頭蓋骨の素晴らしい例に見えるこの骨は、顎のサイズや頭蓋の容量、及び総合的な特徴からしてネアンデルタール人のものであるという多くの研究者による厳密な分析を通し、我々が最初の印象を再評価したという結論を下すのみである。ユニークな物理的特性を鑑みて、我々がここに持っているものは、単純に混血頭蓋骨と考えることもできる。人類とネアンデルタール人、そしてことによると全く違う何かとの。頭蓋骨が遺伝子工学の実在例の候補であると推測することは、この状況においてはそれほどおかしな言説ではない。
神のイメージ
何人かの人々は古代文明が彼らの神をまねて頭蓋骨緊縛文化を作ったと推測している。自分たちを「神」のように見せるために。古代人が自分たちより完全であると考えた何らかの存在に似せたがった可能性以外に、何十年もの間頭蓋骨を変形させるために痛みに耐える広範な文化を持ったと想像するのは難しい。
エジプトの頭蓋骨
古代エジプトに珍しい整形頭蓋骨の別の例がある。Akhenatonと彼の妻Nefertiti、そして彼らの子供は異常に高い身長と細長い頭蓋を持っていた。エジプト学者は緊縛頭蓋とされるものがファラオが生き神として扱われた時代に、人々を納得させるために様式化され作られた姿であると示唆している。しかしツタンカーメンの頭を再度分析したさい、頭蓋が細長く描かれた少年王の像が、かなり正確に元の姿をうつしているという結果が出た。エジプト学者は不愉快な沈黙を守った。従来の解釈では、ツタンカーメンが緊縛でも別の奇形でもない正常な頭蓋を持っていたということを説明することはできない。
エジプトはかなり高度な工学的知識を持っており、早くから文字を使った。それは「不可能なほど」短期間に得られたものである。エジプトのファラオ、生き神の奇妙に細長い頭蓋骨は、その高度な文明が宇宙人によって高度に発達したという説を証拠立てるものとも考えられている。古代エジプト文明の研究には驚異的な推論が沢山ある。例えばジュディ・ケイ・キングはエジプトの古代神話と図像解釈学の研究を通して、当時人類が持ち得ない知識、即ち分子生物学に関する複雑な理解がそこにあったと示唆している。
真実は彼方に
我々がこの記事で取り上げた変形頭蓋骨の真実は定かではない。まだ研究されていない多くの他の例も存在している。我々がここで言えることは、人類の起源の神秘にはまた多くの答えの無い質問が存在するということだ。三つの異なった種の頭蓋骨、混血児、角のある頭蓋骨、最後の細長い頭蓋骨を見て、我々が確かにいえることは、これらの頭蓋骨が我々の構築してきたパラダイムの枠外にあるということだ。科学はそのようなものを再評価するさいに二の足を踏みがちである。多くの場合メインストリームの科学者は「沈黙の壁」の態度をとる。それは現状のパラダイムを守りたいという希望だ。真実はここにある。これをあきらかにするか無視するかにかかわらず、我々は事実だけを直視すべきだ。(”トトの書”thothweb.comよりかなり抜粋意訳)
〜ひー長い。。後半はけっこう聞く話なので省きました。ひねくれたロジックを駆使するビリーバーの文章ではありますが、前半は資料的に面白いというか、日本にもこういうのってあるよなーという感じなので、面白く訳しました。