つづき。

雪男

言わずもがなの有名なヒマラヤの雪男。氷河期の先史民族の生き残りか?中国の野人と並んでもっとも信憑性の高い怪物と言われながらちっとも発見の報告のない幻獣でもある。

アマビコ入道

予言獣の一変種で、アマビコなどと同じものが伝えられるうちに変化したものと考えられている。老人の顔であるところがいかにも預言者らしくていい。

アレシェンカ、ハローシェンカ

ロシアの田舎で見付かった小さなミイラ。兜のような頭に異様な顔、やせ細った体で全身茶色。第一発見者のおばあさんもこの世になく、一時期はその存在自体も失われかけていたが、晴れて遺伝子の分析を終えた結果は「人間の小児」というものだった。おばあさんは生きている状態でこのイキモノを拾ったというが、少々ぼけていたといい、奇形児の捨て子のたぐいだったのか、今では知る由も無い。人間だからといって異星から来た人間である可能性だってあるかもしれない。。

アズキ洗い

しゃかしゃかしゃかしゃか、小豆洗おか、人とって食おか。もとは川音に重なって聞こえる奇妙な音を称した姿の無い妖怪であるらしいが、何人かの絵師によって姿を与えられたのが今のイメージ。漆黒の闇をはらんだ昔の夜は、ささいな音にもおおいに想像力を刺激するものがあったということだろう。

ペシャクパラング

カブール北方のショマリ平野で村人を襲う。見た目はキツネのようだが、鋭い牙とつめを持つ。死んだ信仰者の化けたものともいう。

ブルガリアのエイリアン髑髏

アレシェンカのエイリアンと共に数年前テレビで話題になったもので、ある男性が拾ってきた異様な骸骨のこと。どんな動物のどこの部分にも似ず、見た目が逆三角形の顔に似ていることからエイリアンの髑髏ではないかということになった。関係機関の調査では頭部の骨とは考えにくいそうだが、見た所はどうも哺乳類の腰骨のような感じがするのは素人考えなのだろうか。

へきじゃ

古代中国の怪物で、三本足なのがポイント。器物にその姿を留める。

ホグジラ(ホジラ)

米国ジョージア州のとある町の伝説、巨大な野生豚のことだが、最近捕獲されたとかで話題になった。命名はゴジラから。

筑後深沢村の怪物

かたつむりのバケモノのようだが動きはすばやく、さっと隠れてしまったという。「姫国山海録」より。奥山の未知生物ぽい。この絵はてきとうにアレンジしました(足がなきゃ素早く動けないでしょ)。

印幡沼出現の怪獣

アザラシ説濃厚な江戸時代の怪物出現記録だが、脚色され「全長5メートル、顔周り3メートル、手の長さ2メートル、爪30センチ、目の大きさ四斗樽ほど、口の大きさ1.5メートル」となっている。大嵐を呼び、雷のような音をたてて13人の役人を即死させたというオマケ付きである。

加賀の怪魚

このナリの怪物、いくつ見かけたことだろう。江戸時代の怪魚の典型です。

川子

カッパと同一視されるが、もとは川中で足を触られたり引っ張られたりする現象をいうらしい。石のごろごろしている川は水流が複雑で、浅くても足を取られてひっくり返ったり引き摺り込まれたりすることはよくあることだ。幽霊を見ると主張する人々の中には、水死人が足にしがみついてひきずりこもうとしたという経験を持つ人がけっこういるが、それら幽霊も川子と呼ばれた可能性はあろう。

建長寺の虫

山門の上にいた虫で、体はみみずのようだったという。「姫国山海録」より。

木霊

木の精と書いてこだまやすだまと読む場合もあるらしい。ほんらいはまさに木の精のことで、様々な悪さをする小児の姿をとることもある。やまびことは違うもの。

子取坊主

昔、といっても戦前戦後ごろには「人さらい」というものがいて、子供を神隠しのように瞬時に連れ去り、どこかへ売り飛ばすと言われていた。これはさしずめそういう恐怖が妖怪化したものと言えるだろう。川沿いの小屋には子取り坊主がいるぞ、近付くな、というのはのんのんばあが言っていたこと、と水木しげるさんが書いていた。「坊主」とは修験者のイメージだろう。昔はそういう者が子供を連れ去り修行させたということもあったと聞く。妖怪怪物は恐怖の具現化、恐怖の大元が大ウソでも妖怪怪物は実体化しうるものだ。

くたへ

無論「くだん」の変容形だが能面のような顔が気になったのでうつしておいた。ちびまるこちゃんみたいになっちった。

ライオンキラー

おばさんキラーはヨンさまだが、ライオンキラーは未知の類人猿とされている。残された毛を分析するとゴリラよりチンパンジーに近いようだという。コンゴ産。

飛ぶネコ

有翼の猫は古くから悪魔の使いとして忌み嫌われてきた。現在でも恐らく奇形か長毛のもつれ具合によって翼のあるネコというものが巷間を賑わせる事が有る。とくにイギリスにはその伝説が多く聞かれ、学校の怪談としてしばしば伝えられる。ロシアにも最近顕れたという事だ。

人形魚

江戸時代の絵に出てくるのだが、見る限りまるきり魚怪獣で人の形跡がない。この名前でそれはなかろうとてきとうに顔をつけてみた。

野女

これも江戸時代の報告になる。江戸期というのは文化が煮詰まってこういう想像力の暴発が多く起こった時代であった。

野槌

すぐ「ツチノコの変名」で片づけられるが、そもそもこの怪物は「転がり系」の怪物である。夜道を歩いていると坂の上の方から転がってくるものが居て、びっくりして逃げる。闇夜の怪異のひとつであり、「カンスコロバシ」なんかと寧ろ一緒のものだろう。

怨霊

ワタシは幽霊も妖怪の一種と考えているのでここに含める。あんまり怖い絵になんなかった。すまん。怨霊はひとつの考え・・・ウラミ・・・に凝り固まって、それのみを生きるよすがとしてこの世をさ迷う死者の姿。ウラミは大抵解決されない。死人を恨んで似た人間に祟る、なんてはた迷惑なのもいたという。

オーブ

アメリカ人が無責任に呼びはじめた人魂のミニチュア版の呼称。日本人はこぞってこのてのものを「オーブ」・・・精、という意味で使われている・・・と呼びはじめたけれど、じつのところ雨の日や雪の日に写真をとったり、ホコリだらけの部屋に入って写真を写すとたくさん写ります。綺麗な清流に夜行くと夏場はたくさん飛んでます。もちろんホンモノもいますよ・・・

パプアの恐竜

3メートルの恐竜が目撃されている。3メートルでワニのような顔の恐竜、と聞くと、あながち幻獣と言えない気がする。なぜってそれってオオトカゲで十分説明つく大きさじゃん・・・。

天池の怪物

場所が問題。北朝鮮と中国の国境にそびえる白頭山、そうあの山の湖に出るという怪獣なのだ。牛のような頭というからネッシーのようなものとは違うイキモノかもしれない。

緑鳥

鳥と言うけど絵はあきらかにムササビかリス。小さな翼があるというからムササビが妥当か。江戸の怪物。

せんじょ

古墳時代にはガマガエルも聖なるイキモノとされ墓の壁画に描かれている。ただ、その抽象化された姿はカエルといっても南米の「ピパ」にしか見えない。

下総の妖虫

見るからに気持ち悪いイキモノ。下総のある屋敷で見付かったという。右はどことなくキツネ系の神獣、管狐ぽいかんじがするが、左はねえ・・・翼の血管が気持ち悪い。「姫国山海録」より。

死霊

生き霊の対義語で死んだ魂はみなこう呼ばれるべきだろう。でも日本語にするとこれは悪霊のイメージと重なる。

袖引き小僧

こいつは子供の袖を引いて、何処へ連れて行こうとしているのだろう。

竹原古墳の怪獣

彩色古墳で知られる竹原古墳の壁画にかかれた怪獣の姿である。これが何なのか定説はない。麒麟のような渡来系のイキモノをあらわしているのか?黒い体に赤い斑点という姿から天の斑駒と考えたのは諸星さんです。

テンサラバサラ

「2月から3月にかけて神社や深山の木の根元に天から舞い降りてくる。拾った人は一生幸福に恵まれると言い伝えられている。キリ箱に食べ物のおしろいを入れ、神棚に祭る。年に1度しか見てはいけない。2度見ると幸せが逃げる……」 庄内地方のケサランパサランの一変種。

天山の神

山海経には脱帽です。圧倒的な想像力がこちらの想像力をスポイルしてしまう。これを見てワタシはハンプティ・ダンプティを思い出した。羽4枚に6本足の神。

チリのヒト型生物

東スポでも報じられた奇怪なイキモノの写真。馬に乗って道を行く人の後ろに、ちいさなヒト型のイキモノが横断しようとしている。見るからにウソっぽいのは例の「グレイ」に極めて似た姿だから。10年ほど前矢追さんのUFOスペシャルで、カメラには映らないが鏡にはしっかり映っているグレイという不気味なシーンがあったが、真偽は定かではない。

羽人

中国産。天使のイメージとはやや違う。妖怪に近い感じ。

海鬼

いいネーミングだなあ。。。「姫国山海録」より。

牛鬼

文字どおり身近な家畜「牛」のバケモノということになるが、山陰地方では怪異そのものを「牛鬼」と呼んでいた節がある。別項「牛鬼ナルモノ」参照。

夜刀の神

天皇という神に追いやられていった八百万の神の一員で、角を一本生やした蛇の形をとる。もともと夜刀は蛇の古名。

ヅオン・ドゥー

呪われた竜の使い 人喰いヅォン・ドゥーがベトナム奥地に実在した、と「藤岡弘探検隊シリーズ」でやってた。

ドーバー・デーモン

1970年代はおかしな時代で、アメリカ各地でも変なイキモノが目撃され続けてました。時代の不安感とかそーいうゴタクはいいとして、この卵型の頭に末端肥大気味の手足をもつヤモリのようなイキモノ、例のウチュウジン「グレイ」によく似ているのですね。しかも数日間だけ集中して目撃されているということ、ウチュウジンがチョウサにやってきた、そのペットだったのではないか、などとまことしやかに言われていたのでした。

応声虫

体内の人面ソウみたいなもんだと思うのですが、寄生虫のイメージと混同されてわけわからなくなってたみたいです。サンシ虫とも混同されちゃったみたいです。江戸時代のこーいうイキモノ。詳しくは他項を見てね。

ジャージー・デビル

「ローズマリーの赤ちゃん」とかはやりましたねー。私の好きな諸星大二郎さんのマンガでも幼児の顔をした海竜の出てくる話しがあって、ビジュアル的に凄まじかったです。こいつはある家で生まれた赤ちゃんが変身してコウモリの翼、馬の体、ほんとは馬の顔を持った化け物になったとかで、家畜を惨殺して飛び回る悪魔の怪物の伝説と重ねられるようになりました。最近のチュパカブラなんかと関連性が指摘されてますが、キャトルミューティレーションも丁度70年代に話題になりましたから、いろいろごっちゃなイメージが実体化したんでしょうね。

ぶんぶくちゃがま

文福茶釜です。狸モノです。っちょっと失敗しました。釜の漢字も忘れました。

ハーピー、ハルピュイア

女性に鳥のイメージを重ねるって、なんかあるんでしょうかねえ。あるんでしょうきっと。

ハヨーテ

脱毛症のキツネと断定されたって??知らない知らない。チュパカブラス系の中米の狼型怪物です。やっぱり血をすするらしい。

野守

いちおうツチノコと同一視されているようですが、バカでかいのと足が6本あるのが特徴とされてます。江戸時代に報告されました。てかこれって爬虫類なのか?

濡れ女

気味悪いイメージの怪物ですね。女頭蛇体の怪物は江戸時代にイヤっていうほど出てきます。これは代表格。体長200メートルなのに信濃川に住んでるのもどうかと思うので海に潜らせてみました。やっぱり血を吸うみたい。石燕は前足を描いてます。

オサキ狐

ちょっと意外だったのです、こんかい調べてみて。オサキってコトバから勝手に何かの「先」触れの化け物というか、眷族というかそんなものだと思っていたのですが、尾裂き狐だったとは。九尾のキツネのミニチュア版だったのか。クダと同じ呪術的なイメージを持っていたのに、なんだか夢が無くなりました。

天蛇

ちょっと好き系のバケモノです。熊野の山奥に出るそうで木からどたっと落ちてきて血を吸うとか。血吸い蛭だって?大きさがハンパない。2メートル。中国にはじっさいそのクラスの蛭がいるそうですが、日本にもかつていたのですね。きっと。「天蛇(テンダ)」っていいネーミングだな。

>つづく