2006年04月06日

頭上の女

もう貢太郎怪談の虜である。GWは酒持って墓参りに行く。日本怪談実話はダブリも多いが収録数(収集数)が極めて抜きん出ている。今ケータイゆえ引用不能だが、この話などまさに本サイトに載せた「写真にうつらない男」の逆で、どの写真館へ行っても写真屋が暗幕をかぶりキャメラを覗くと「頭上に髪振り乱した女が座って見える」、裸眼では見えない。どこへ行ってもキャメラの故障と断られるので不審に思い訳を知った僧侶、それは先妻だ、約を破り死後再婚したから出たのだと回向したと。オチはパターンだが、昭和初期のテクノロジーの大衆化に伴うギミック「キャメラ」「映画」「タクシー」「路面電車」「電話電信」「建築ラッシュ」などが奔流のように出てくる中にあってこの話は極めてしっくりくる。

前記の目黒通りの口裂け女、正確に道がたどれるので、今度古地図と照らし合わせ化けた場所を特定しよう。鷹番からずっときて自由ヶ丘手前で右カーブする部分は現在では残ってない(昭和初期、林は寺や神社に付随するかっこうでそこかしこに存在していたという。戦災で自由が丘も焼けてしまったためもうだいぶ違うらしい)。近所だからね。探そう。