2006年02月08日
光るチュパカブラ、闇のネイティブ


最近水牛系の骨を前後入れ替えて怪物の骨と報じたり(マレーシア)フェイクの瓶詰め宇宙人が何と英国保守系大新聞ガーディアンに載ったり(足に米国民ナンバーが記されてる!)熱帯魚にアラーを示す文字が浮き出たといういつものパターンなどニュースは多いが「なーんだ」なものが大半。南極の氷の下に巨大湖二個発見とかニューギニアに新種動物20種以上の森発見とかパナマで両生類の体表を覆い尽くし窒息死させる新種の菌が広がっているとかいうものもあるけど、これらは科学の目からは興味深いが文学の目からはイマイチなところを出ない。なまじ科学的にニュースしてしまうからそうなるわけで、やっぱり虚偽は知らんが内容的に面白い話はfarshoresよりaboutのパラノコラムのほうが余程多い。



以下、2月投稿記事から二つ。ここはネイティブ関係の投稿が多いみたいな気もする。

「光る生き物」
ベン・ハーディー筆

何年か前の夏に、私は妹と数人の友達とキャンプに出かけた。毎年私たちは同じ場所・・・野原や荒野や石切り場に囲まれたとある小さな森・・・でキャンプしていた。それまで何も変な経験をしたことはなかった。でもこのキャンプの夜はいつもと違っていた。深夜、かなり遅い時間、1時くらいだったと思う。私たちはキャンプファイアを囲んで飲んだり笑ったりしながら座っていた。突然妹が悲鳴をあげた。「何あれ!?」指先は私たちの横の野原に向けられていた。私たち全員が立ち上がり、彼女の指差している方を見た。確かに野原の真中に、あの「動物」はいた。

それは色白で大型犬くらいの大きさだった。大きく赤い目をして、とてもまぶしい光を放っていた。前述のとおりそれは深夜のことだった。どこからも遠い闇に包まれた野原の真中だった。私たちが松明でそれを照したわけでもないのに、突き立てられた親指のようにはっきり際だって見えた。本当に光り輝いていた。友達と私は、妹がへたりこんでしまったのでそれを追い払おうと向かっていった。12メートルくらいまで近づいたとき、とても素早く動いた。追うことができないほどだった。ものの2秒とかからずに9メートル走り2メートルの石垣に上り飛び越えた。更に壁の端まで15メートル走ってジャンプしてこちら側に戻り、後足で立ち上がって私たちを見たのだ!立った大きさは人間の男性と同じくらいで、威圧するような感じがした。しかし私たちは勇気を出して更に向かっていった。すると再び素早く壁の反対側にジャンプして、丘の上駆け上がり見えなくなった。同じ場所で同じ物を見た人々は他にもいるけれども、誰も正体を知らない。(about.com"your true tales"feb.2006)


「Harahan Circleのネイティブの食屍鬼たち」
フィン・レナード筆

町外れで何かが起こっている。みんな知っているけど、無視しているように思える。僕はHarahan Circleの若い住人。ここは少し大きな町から数ブロックくらい離れた小さなベッドタウンだ。僕の家は友達の家同様背後は大きな野原、正面は森林の壁に面している。この情報のポイントは毎晩、2週間くらいにわたって何かが森から出てきて野原を横切りHarahan Circleへ入っていくというものだ。窓越しに見るそれらは黒くまるでネズミのような輪郭をして道路を歩いてわたる。ティーンエイジャーが夜遊びに出かけるところの見間違いなんかじゃない。彼らは互いに時々低いうなり声や一連の舌打ちを交えた「違う言葉」でj話をしている。

彼らは人間に見えるけれど、奇妙なのはその衣服だ。民族衣装のスカートに大抵上着も着ていない。今のイリノイは真冬だ。僕は夜そのうちの一人を街灯の下ではっきり見たことがある。首や腰に骨をぶら下げて、猫背だった。まだこのときはこの人がどんなに強いか僕は知らなかった。僅か数日後、二人の友人と僕は「彼ら」の後をつけて森に入っていった。そこで僕らが見たものは、彼らの衣服に似た赤い布が木に架けられているところ、「骨」、そして湿って凍った泥の上に残された足跡だった。全て裸足だった。

そのとき僕らはそこで「静かな声」を聞いた。すぐに逃げ帰った。その声が耳について離れない。(about.com"your true tales"feb.2006


・・・後者はなんだか単にネイティブの宗教家たちを畏れてるだけのような感じもするが(カルトかも)、最後の声が何だったのか、こういう「ポッ」と放り込まれて終わる「怪談」はアメリカらしくなく日本怪談ぽい。ジャパニーズホラーがアメリカ人の脳の論理野を侵食し始めたのか。他にもなかなか面白い投稿が多いです。日本怪談に食傷気味のときはこういう違う文化の怪談を読むと楽しいですよ。