写らない話

もう既にいろいろなところから配信されているニュースなのだが、中国の大紀元に1月6日付で「写真に写らない(写せない)男」の記事が載った。記事を読む限り撮影者は警察署員で機材はデジカメ、何度もトライしてもダメだったという具合で、変な恣意の入る隙のない話であるように読める。白髪三千丈の国のニュースにせよ根も葉もないとも言いがたく、実は類例の多い話でもあるため採録しておく。ちなみに「心霊写真」の典型として体の一部分が写らないというものがある。写真というのは「真実を写す」と書きながら結構いーかげんなもので、シャッタースピードや被写体の距離によっては動きの早いものを写すことができない場合がよくあり、腕が消えた、足が消えたなどは腕を振っていたり走っていたりという場合もある(綺麗に消すためにはタイミングが必要だが)。詳しくは知らないが、動かなくても一部分が消えることもありえるらしい。前を何かが高速で横切ったときだったか?生き物が被写体であったときは、こういった事象がありうるということを充分に考慮すべきだろう。

一方、有名なジャワ島プランバナン寺院の写真に写らない牛神(ナンディ)石像のように「動きようの無いもの」が消える、という話もある。ただこの場合、「インビジブル」ではない。正確には「黒く潰れる」というもので、これも露光時間の関係で、特に自動露光のたぐいの機構が影響する場合も充分考えられる。竜王権現に棲む白蛇が写せない、写せても血のように真っ赤になるという話は既に書いた。この赤という色はフィルムカメラ特有の現像ムラの可能性が考えられる。デジカメ時代になり心霊写真の性向が明らかに変わってきているが(いわゆる「オーブ」写真が大量に出てきたり、コンピュータ補正によって実像からかけ離れた姿にされていたり(判別の困難な捏造が多いのがまた難しい))、赤く潰れる写真がデジカメ時代になって殆ど報告されなくなったのは、やはり大部分が現像ミスか、フィルムに何らかの事故があったためだったと考えるべきなのだろう。黒くなるにせよ赤くなるにせよ、最初の男の「インビジブル」とはちょっと違う。

長い前置きになったが、以下抜粋訳。あきらかに「動いていない男」が写真に写らない、つまり「透明化」してしまったという。似た話はネットでしばしば聞かれるものではあるが・・・座敷わらしのような「誰も知らない子が混ざっていて、後で写真を見るとその子のいた場所が不自然に抜けて空白になっている」民話のフォーマットで・・・このような不可思議は世界共通の感覚なのだなあ、とも思った。

河南に写真に写せない男出現
(元記事)


2006年1月6日地方紙河南大河報が伝えるところによると、河南省舞?市?庄?(Yangzhuang)叶楼村の叶相亭(Ye Xiangting)なる男の身分証明写真が撮れないと地元警察が訴えているという。彼の写真はデジカメに全く写らず、その説明もつかないという。彼は身分証の写真を新しく撮り直すために?庄?派出所を訪れた。彼はカメラに向かってまっすぐ座ったが、写真には何も写らなかった。署員はいろいろとカメラの具合をチェックしたが、全く問題はなかった。撮り直してみたが、やはり彼は写らなかった。署員は彼が何かコンピュータ機材に影響する機器を持っていないか衣服をチェックした。更に彼はデジカメに向かって座り直し、あらゆる角度から撮影されたが、どれにも全く彼の姿は捉えられていなかった。署員は支援を頼み他の人々と共に写真を撮りつづけた。だが彼らも出来上がった写真を見て度肝を抜かれた。相亭はまるで「透明人間になった」ようだった。署員はついに撮影を断念した。彼は未だかつてこんなことは一度もなかったと言う。それまでは普通に写真に撮ることができたのである。警察署長は今まで二度同様のケースにあたったことがあるという。全て原因不明であり、専門家に伺いたいものだ、と語った。(大紀元)