2005年08月30日

兎に角、ジャッカロープだ

畸形生物に新たな種名をつけて騒ぎを起こすなんてB級ワイアドニュースでは伝統的な手法だが、ジャッカロープはそれ以前の「捏造動物」で、鹿角をつけた兎というありえない写真の数々で知られている。10年以上前にフェイク動物の写真集が好事家に売れたことがあったが、その中のひとつと言っても通用するくらいニヤニヤ笑い誘い系の噺である。都市伝説の範疇に入れられる場合もある(都市じゃないので松谷さんふうに「現代民話」とでも言うべきか)。だが兎の病気で頭に奇怪な長い腫瘍ができることは古くから知られており、そういうものは多く見つかっている。今回もウィルス性疾患のたぐいか、あるいは人間でもたまにある骨の異常突起なのか、いずれにせよ医学的説明がつくものであるとのこと。兎に角、

X51さんありがとう。

ジャッカロープ - "角の生えたウサギ"の死骸を発見 米
【Washingtonpost】米国にて、ジャッカロープ(Jackalope)の名で知られる角の生えたウサギらしき生物の死骸が発見されたとのこと。獣医のデニス・ベッシュトールド氏は、”ウサギと鹿の合いの子”であるジャッカロープなる生物が存在することは疑わしく、今回発見された遺体は、実際にはウサギの頭に、病気によってコブ状の物体が生えた姿がその正体ではないかと推測しているという。「本当に驚きましたね。二つの角のようなものが丁度ジャッカロープと同じような位置に生えていたんです。」
ワシントンポストの元記事
(写真なし)



ジャッカロープの伝説

ジャッカロープ(学名Lepus-temperamentalus)は世界における希少動物の一つである。現在は絶滅しているピグミー鹿と殺人兎の一種の混合種であり、親密にならない限り非常に警戒する。生きた状態で捕らえられたことはなく、この珍しい写真は(ニセモノとしてよく批判されるが)攻撃しようとしている力強い雄の姿を捉えたものである。古来「鹿兎deerbunnies」として知られていたこの動物は、1960年代初めから現代にかけて、より恐ろしい名前「ジャッカロープjackalope」と呼ばれるようになった。真実の物語を以下に引用する。
〜夜、ジャッカロープが腹をふくらませて寝ているときに、ミルクを吸うことができる、と言い伝えられる。これは薬と信じられていて、様様な病気を癒すのに使うことができる。しかしこの生物が攻撃的で予測がつかない行動をし、いかなり理由があっても起こしてはならないというのは事実である!



ジャッカロープ

(若干意訳)
ジャッカロープは枝角兎の一種だが残念ながら絶滅したと噂されている。だがこの希少種の目撃談は跡をたたない。ジャッカロープの生息域がアメリカ西部のネイティブ居留地にあることは暗示的である。ジャッカロープは戦闘の時に枝角を利用する。従って又の名を「兎戦士warrior rabbit」という。ジャッカロープには人間のたてる音を真似る不思議な能力がある。昔の西部ではカウボーイが夜キャンプファイアの周りに集まり歌うと、ジャッカロープがしょっちゅうカウボーイを真似て歌い返してくるのを聞くことができた。ジャッカロープは雷雨の前に特に歌うといわれるが、恐らく稲妻が光る時だけ仲間と認めるのだ(あるいはそういう習性がある)。追いかけられるとジャッカロープは捕獲されるのを避けるためにその声を利用する。例えば人々に追いかけられるとジャッカロープは「そこへ行くぞ、そこだ」というようなフレーズを叫んで追跡者を煙に巻く。ジャッカロープを捕らえる最善の方法はウィスキーで誘い出すことだ。彼らはこの飲み物が大好きなのである。一旦酔わせてしまえば走るのが遅くなり狩り易くなる。(訳注:カウボーイのホラ話、ローパライトとは関係があるのだろうか?)

ジャッカロープのミルクは強力な催淫剤だと信じられており(そのためジャッカロープは時々「欲情兎horny rabbit(訳注:角兎とかけている)」と呼ばれる)極めて需要が高い。しかしジャッカロープの乳を搾るのはこの上なく危険な行為であり、何人もの人が試みるも意を遂げることができなかった。ジャッカロープ・ミルク特有の力はこの動物の強力な跳躍力に起因するといわれている。

ジャッカロープが最初に発見されたのはワイオミング州のダグラスで1829年のことと言い伝えられている。ワイオミング州は自らアメリカのジャッカロープの首都であると宣言した。町の中央にはジャッカロープの大きな像が立ち、毎年町はジャッカロープ記念日を祝う。おおよそ6月に行われる。ジャッカロープの狩猟許可証をダグラス商工会議所から得ることもできる。但し6月31日の午前0時から2時の数時間に限られてはいるが。長年ワイオミング州ダグラスに住んでいたダグラス・ヘリックは、ジャッカロープの話を広めたことで褒め称えられる。1930年代にダグラスと弟ラルフはジャッカロープの頭部の壁掛けを一般に販売し始めた。これは瞬く間に有名になった。合衆国内の多くのバーや家で彼らの仕事を目にすることができる。また、ジャッカロープ絵葉書はポピュラーな西部みやげになった。ダグラス・ヘリックは2003年1月6日に82歳で亡くなっている。

ジャッカロープは現在とりわけコロラド、ワイオミング、およびネブラスカ州で普通に見ることができる。但し、ジャッカロープはヨーロッパにその従兄弟がいるのではないかと思われている。それはwolperdingerと呼ばれるドイツの生き物だ。スウェーデンでは近縁種がskvaderと呼ばれている。


・・・ここまで訳して思い出した。これってCNNかなんかでお笑いニュースとしてやってたなあ。