2005年10月07日

セクロバリと呼ばれる翼手竜

パプアニューギニアのプテロダクティルス「ローペン」が数年前からホットになってきている。プテロダクティルス専門サイトも設置され、研究家が積極的にインタビューやスケッチ採取を行っている。民俗学的な研究分野に入るかにみえたローペンだが(人間の死体の脳を好むとか)目撃例を詳査してみるとどうやらそういうのはあくまで村の精霊信仰のようなものがいりまぢったもので、でかい蝙蝠的な飛ぶ生き物がいることは確からしい(蝙蝠のような色でないことは確かだ)。オーストラリアのパースでの巨大翼竜にかんする情報も入っているが、ここにはローペンという名とは違った「セクロバリ」という名で「呼ばれていた」ものについてのインタビュー記事を採録しておこう。私は海竜より翼竜のほうが好きであるが、水のもののほうが「誤認が多いせいだろうか」あまりに目撃例が古今東西広範にわたり多すぎて正直覚めてしまう。日本(と英国の一部)だけがこんなに盛り上がってるだけという話も聞いた。カナダなんかでは変人扱いされることもあるらしい。英国は逆に「いてほしい」気質の国なのでまた民俗学的な世界に入ってしまうからややこしい。水のものは「水もの」だ。空いこう空。ジャングル。長くなったが以下短い訳出。インタビュー写真はサイト参照。好きなサイトなので剽窃はしないでおく(好きじゃないならいいのかよ)。DVD等もあるみたいなので英語に堪能なかたはどうぞ(モノはなくあくまでインタビュー記事と現場風景らしいが)。

パプアニューギニア本島のパスター・ヤコブ・ケパスの2004年10月のインタビュー Garth Guessman:インタビュアー

ヤコブ・ケパスが12歳のとき、巨大な奇怪な生物が村の上を飛んでいったのを目撃した。このエリアでこの種の生物が人々に目撃されたのはこれが最初ではない。彼らの間で「セクロバリseklobari」もしくは「自分の寝床を一緒に運んで来るもの」として知られているものだ。何人かの調査者はこれがローペンが海から巨大な二枚貝を食事に都合がいい内陸へ運んでいくところだったのではないかという意見を持っている。これはまさにプテロサウルスと考えられている(プテロダクティルス(翼手竜)としても知られているもの*)。ヤコブはインタビューで彼の目撃した奇怪な生物の詳細な特徴はわからなかったという・・・それがはなった眩い光を除いて(とても速く飛んだ)。

*最近「恐竜生き残り研究家」の間で言葉の混乱を正す動きがある。敢えて日本で親しみやすい複数形で書いたが原文では「ス」は無い。そして広義の分類では、中生代に栄えた手足に癒着した巨大な皮膜を持つ飛行性爬虫類を「翼手竜」プテロダクティルと呼ぶ。ここにはプテロサウルという書き方もしてあるが、こちらの言葉は本来的には狭義の種のことを指すものであると思われる。サウル(サウア)=トカゲという意味なので、即物的に解釈しプテロダクティルと同じ意味の言葉として使うこともあるのだろう。プテラノドンやケツァルコーツラス(コアトル)といった狭義の「化石種」には特化しない、という態度がとられるようになったのは当然のことだろう。