第87夜、銭神について

夕暮れに薄霊のようなモノが立ちこめる気配がする。なにやらわからぬ声らしきものを発し、人家
の軒先を走るのだ。これを刀で斬り止めると、銭が沢山こぼれ落ちてくる。「百物語評判」によると
これこそ「銭神」なのだそうだ。