第十二夜、青い人

筑波を去る直前の話。夕方の話しだ。

いつも通る道。自転車で走っていると、立ち木のかげに

半透明の「何か」が立っている。

色は、この世のものとも思えぬ綺麗な青。すきとおるようなコバルトブルー。それが光り輝く。夕陽に反射するように。人の形は、している。だが、気配は・・・何か、まったくちがうもののような、奇妙としか言いようのないもの。それが、じっと立っている。人の形をした青い光の塊。近付くと消えた。パッ、と。

次の日の夕方にも、いた。そして、消える。

その次の日も。

そして、私は筑波を去った。

「あれ」は、どうしているだろう。